「農は国の基であり、農民は国の宝である」旭川市で、食と農シンポジウムを開催しました。
掲載日:2024.08.21
8月17日、立憲民主党北海道第6区総支部(にしかわ将人代表)は、旭川市・大雪クリスタルホールにて、「考えよう!食と農シンポジウム」をハイブリット方式で開催し約140名が参加しました。
主催者を代表して挨拶したにしかわ将人・総支部長は「25年ぶりに農業の憲法と言われている「食料・農業・農村基本法」の改定がこの国会で行われたが、農業者の皆さんの期待する法には程遠い部分がある。今、日本の農業は本当に厳しい状況が続いており、食料自給率が38%と先進国の中で最下位。次に食料自給率の低いイタリアにおいても約60%という状況あり、いかに私たちの日本の自立が低いかが明らかだ。今後この自給率をどう高めていくのか。そして、農業者の皆さんに対してどのような政策支援をしていかなければいけないのかを含めて、鈴木先生からお話をいただく。私たちの北海道は日本の食料基地の役割を果たしている。しかし、残念ながら今の農業政策が続いていくと、農地農業を守り抜いていくことができるのかどうかという今瀬戸際に来ている。この地域の農業・一次産業をしっかりと守り抜いていくために国・道・市町村において農業者の皆さんとしっかりと連携しながら政策を進めていきたい」と話しました。
第1部の講師として登壇(オンライン)した鈴木宣弘・東大大学院特任教授は「基本法の見直しを今やるということは、世界的な食料需給情勢の悪化を踏まえて、不測の事態にも国民の命を守れるように国内生産支援を強化し食料自給率を高める政策を打ち出すのかと思ったが違った。欧米では価格維持・直接支払いを堅持しているが日本の農家は丸裸だ。市場原理主義では、いざというときに国民の命を守れないことはコロナ禍でも明白になったのに逆の政策をを取っている。輸入に依存せず国内資源で安全・高品質な食料供給ができる循環農業を目指す方向性は子供達の未来を守る最大の希望だ」と話し、大胆な食料安全確保予算の緊急執行の為に、食料安全保障推進法を制定するべきと訴えました。
第2部では、3名の農業者をパネリストに迎え、「基本法改正による現場への影響」「水田活用の直接支払交付金の問題点」「農業者戸別所得補償制度について」等の現場の声を聞きました。農業の現場では、これまで国の政策の趣旨に沿って戦略作物に転作したが急な変更で現場の疲弊や離農が進んでいる実態、物価高に臨機応変に対応できない体制、農村を守る観点が抜けている等の問題点が明らかに明らかになりました。
日本の農林水産業は、国民生活に必要不可欠な食料を安定的に供給するという極めて重要な役割を担っており、食料安全保障の基盤をなすものです。また、農林水産業は、その生産活動を通じて、国土・自然環境の保全、集落の維持・発展、地域文化の伝承等、多面にわたる機能を発揮しています。こうした重要な役割を担っている農林水産業の経営の持続的かつ安定的発展を通じ、食料安全保障の強化と多面的機能の発揮を図ることを基本として諸施策を展開します。