【衆院本会議】荒井ゆたか衆議「産業競争力強化法改正案」代表質問で「令和型経済システムを構築へ」

掲載日:2024.04.08


衆院本会議で4月5日、「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」について、荒井ゆたか衆議が代表質問を行いました。

(1)不祥事対応

 荒井衆議は冒頭、「どのような規模の企業であれ、責任者は『不祥事を起こさないマネジメント』ができることが大前提」「不祥事が起きた際には『速やかに適切に対応し、信頼回復に向けて最大限のことを行う』ことが責任者としての必要十分条件」と指摘しました。

 その上で、昨年発覚した不祥事として、自民党の裏金問題をあげ、「民間企業は、不祥事発覚後に客観性のある第三者委員会による調査を行い、事実を明らかにし、責任者が謝罪、辞任をする」が、政治は「信頼を失っているにも関わらず、お手盛りの『内部調査』しか行わず」「肝心要のところを、国民には説明していない」「民間企業で責任者がこのような態度だと、企業は潰れる」と自民党の対応を強く批判しました。



(2)産業政策の現状認識

 荒井衆議は、2000年には「日本の一人当たりGDPはG7で最も豊かな国」だったが、現在は「G7で一番少ない国」だと現状を説明しました。

 また、一橋大学の伊丹敬之名誉教授の「2001年小泉内閣の時に竹中平蔵氏らが提唱した「コーポレートガバナンス改革」により、株主最優先の経営を行った結果、人件費抑制や設備投資抑制に至り、景気低迷を招いた」との見解を紹介し、「日本の再生には、株主への過度な傾斜を見直し、職員、顧客、地域など人材と人的ネットワークを大切にする人本主義の経営こそ必要」だと訴えました。

 政府は「潮目の変化が生じている」と表現していることに触れ、「毎月勤労統計調査では2023年は、実質賃金はマイナス2.5%。バブル期を超える株価になっていても、生活実感の厳しさを訴える声は増えている」と指摘しました。

 齋藤健経済産業大臣は「高い賃上げが続く成長型の経済への移行が求められている。日本経済は正念場」だと述べました。

(3)中堅企業者

 本法案で新たに「中堅企業者」「特定中堅企業者」が新設されることに関連し、全国で336万社、全企業の99%以上を占め、全雇用者数の約7割が働いている中小企業について、荒井議員は「地域の雇用を支える観点から、中小企業が正規雇用を維持・拡大するために必要な施策を実施することが必要。新たに正規労働者を雇用した中小企業に対し、長期間にわたり社会保険料の事業主負担の一定部分を助成することにより、中小企業の新規人材の獲得及び事業の充実と活性化が図られるよう施策を講ずるべき」という立憲民主党の考え方を訴えました。

 齋藤大臣は「企業自身の魅力を高めることが必要。設備投資等による賃上げ促進税制、新規人材獲得を強めていく」等と述べました。

 最後に荒井衆議は「自民党の裏金問題が発覚した今こそ、昭和型政治経済システムと決別し、まっとうな令和型経済システムを構築することが求められている」「今、日本には喫緊の課題がたくさんあるが、組織の危機管理能力が乏しい自民党が、政権与党として国家を運営していることこそが一番の危機」「 『潮目の変化が生じている』とは、『政権交代の潮目』。立憲民主党は政権運営能力をしっかり磨き、国民の皆様の付託に応えていく」と訴えて質問を終わりました。