[憲法審査会] 逢坂衆議「とにかく変えたい。変えやすいところから。こうした憲法議論は不見識」

掲載日:2024.04.12

4月11日、憲法審査会の自由討議が行われ、北海道から「おおさか誠二」衆議院議員が討論を行いました。発言は以下の通りです。



 日本国憲法といえども決してすり減ることのない不磨の大典ではないと考えております。一字一句変えてはならないというものではありません。社会の変化に応じて不断の見直しを行うことが求められていると考えております。ただその見直しを行う主体、これは憲法で命令される側の国会ではなく、主権者である国民自身です。ここに立憲政治の核心があると考えています。

 ところが最近の憲法議論を見ていると、この立憲政治の核心が揺らいでいると感じております。1月30日に岸田総理は施政方針演説で次のように述べました。

「総裁任期中に改正を実現したいとの思いに変わりはなく、議論を前進させるべく最大限努力をしたいと考えています。今年は条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいります」

 本来まな板の上の鯉である公権力の側の総理自身が、期限を区切った上で条文案の具体化と、議論を加速することに言及したことに私は大変驚きました。3月3日の衆議院予算委員会で、この総理発言に対する私の質問に、岸田総理は次のように答弁しました。

「昨年12月、自民党総裁として衆参の憲法審査会の幹事など関係者に対して、国会の発議に向けて各党と共有できるようなたたき台、案についてぜひ議論を進めてもらいたい、党総裁としてはそういった要請をした」

 私は岸田総理のこうした姿勢や答弁に触れ、憲法を変えること自体が目的化していると危惧しております。こんなことをすれば憲法の価値を毀損させてしまいます。とにかく憲法を変えたい、どこか変えやすいところからとりあえず変える。こうしたことが目的化する議論は不見識です。特に数の力でその議論を押し切る姿勢は慎まねばなりません。

 さて自民党の裏金問題、そのお金の使い道も含め全容は全く明らかになっておりません。法律を犯しているかもしれない議員を多く抱える自民党及びその総裁が、国会議員を縛るとも言うべき憲法改正を、声高に叫ぶ節度の無さに驚きを禁じ得ません。裏金問題の解決もできず、自浄作用のない自民党が憲法改正を論ずることに正当性があるのでしょうか。一刻も早く裏金問題にけりをつけていただくことを強く要請します。