「農林水産政策大綱」をまとめる。神谷ひろし衆議(北海道10区)
掲載日:2024.07.17
農林水産現場に活力を取り戻す「農林水産政策大綱」をまとめる
どのような施策で、わが国の1次産業を発展させていくか。私たちが目指すべき農林水産施策とは。これまで積み重ねられてきた議論の成果をまとめた立憲民主党の「農林水産政策大綱」について食料・農業・農村政策ワーキングチーム事務局長の神谷裕衆院議員に寄稿してもらいました。
「農林水産政策大綱」
https://cdp-japan.jp/news/20240625_7979
*岩見沢市で、農業政策について語る「神谷ひろし」衆議
この通常国会ではわが国の農政の憲法と言われる「食料・農業・農村基本法」の改正が行われました。この改正にあたり、私たち立憲民主党は、農林水産部門の中に「食料・農業・農村基本法検討ワーキングチーム」を設立し、この基本法が成立して以降25年間の農政について検証等を行ってきました。
なぜわが国の食料自給率が下がり続けているのか、農家戸数が減少し続けているのか、農地面積が縮小していくのかについて考えていくことであり、この改正を機に反転攻勢がかけられるような政策の柱を打ち立てたいという試みでもありました。
私たちの考え方に近いものは確かに今次改正法にも入っています。しかし、到底十分とは言えません。そこで残念ながら取り上げられなかった提案も含め、私たちが目指す農林水産施策と、これまで積み重ねられてきた議論の成果を「農林水産政策大綱」(以下、「大綱」)としてまとめることにしました。これは私たちが政権を頂いた際、どのように施策を推進し、わが国の1次産業を発展させていくかについて考えたものです。この「大綱」の諸施策を通じ、必ずや農林水産現場に活力を取り戻せるものと確信しています。
ー農業経営の多様化をー
私たちの「大綱」と政府の農業施策との最大の違いは「過度な市場主義」を農村現場に持ち込まないということです。「農業の成長産業化」という言葉のもとに農地集積、大規模化が進められてきました。しかし大規模化を追求しても決して農業経営が楽になったとは言えない状況です。農村人口が減少の一途をたどり、農村の維持そのものが難しい地域も出てきました。
私たちは多様な農家が農村にいることが重要であると考えています。大規模農業を否定しませんが、中小・家族経営等、多様な経営体がそれぞれ成り立つことが重要です。そのため産業施策と農村施策の両面の充実を改めて考えました。
またこの「大綱」では、これまで私たちが提案してきたさまざまな議員立法についても政策の中に位置付けました。例えば「種」です。種は遺伝資源であり、国民共有の財産でもあります。公的研究機関等での新品種育成の促進や在来種の多様性の確保等についても位置付けています。
ー1日も早く「大綱」を実現するー
この間、農林水産に関する予算も一方的に下がり続けていくばかりでした。本来であれば今回の基本法の議論に際し、農林水産施策の徹底的な検証と大胆な転換を図るべきでした。既存の施策をただこのまま続けていればどうなるのか、すでに自給率や農家戸数・農地面積の推移を見れば結果は見えています。
私たちは「農林水産キャラバン」等を通じ多くの現場の皆さんと意見交換を重ねてきました。皆さんの思いを受けてできた「大綱」です。皆さんとの約束の集大成であるこの「大綱」を1日も早く実現したいと思います。
*党本部機関誌「立憲民主」vol.45に掲載された記事となります。