鈴木知事の北海道電力泊発電所3号機再稼働へ同意表明に係る 抗議声明

掲載日:2025.12.10

2025年12月10日

鈴木知事の北海道電力泊発電所3号機再稼働へ同意表明に係る
抗議声明

 12月10日、鈴木直道北海道知事は、北海道議会第4回定例会予算特別委員会における知事総括質疑において、北海道電力泊発電所3号機の再稼働に同意する旨を表明した。

 泊発電所3号機の再稼働の可否は、数年来にわたり道政上の最重要課題の一つと位置づけられ、「総合的に判断する」との慎重な姿勢が繰り返し示されてきたものである。それにもかかわらず、原子力規制委員会の審査通過からわずか4か月という短期間において同意判断に至ったことは、あまりにも拙速であり、強い憤りを禁じ得ない。

 現在においても、再稼働に対する道民の不安や懸念の声は後を絶たず、より十分かつ具体的な説明と、誠意ある対応が強く求められている。そうした切実な声を真摯に受け止めることなく、慎重かつ公正な手続きを尽くさず、道民の理解と納得が十分に得られていない段階で、同意に踏み切ったことは、極めて遺憾である。

 北海道議会第4回定例会における知事答弁は、「原発の再稼働は当面取り得る現実的な選択肢である」との認識を繰り返すにとどまり、道民の意思を確認する具体的方策を明らかにしなかった。さらに、地域住民の避難手段の確保や実効性ある防災体制についても、明確な説明を欠いたまま最終判断に至ったことは、断じて容認できるものではない。

 「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」は、原子力発電について、放射性廃棄物の処理および処分方法が確立していない等の理由から、過渡的エネルギーであるとの認識に立ち、本道のエネルギー政策の根幹をなすものである。本条例の趣旨に反し、再生可能エネルギーを最大限活用した本道の将来的なエネルギービジョンを示さない現状での知事判断は、到底容認できない。

 北海道知事には、道民の不安と懸念の払拭に正面から向き合い、説明責任を果たすよう強く求めるものである。道民の生命と暮らしを守る立場から、本件に対し厳重に抗議するとともに、今後の動向について、引き続き厳しく監視していく。

 

立憲民主党北海道総支部連合会 代表 勝部 賢志
北海道議会 民主・道民連合議員会 会長 沖田 清志